生きているだけで素晴らしい
平成29年1月1日
日テレの『24時間テレビ』など今までのメディアは、障害者は特別でかわいそうという感動を作り上げ、健常者の上から目線の番組制作が多かった中、バリバラは今までにない、かなり切り込んだ面白い番組になっています。
12月11日のバリバラでは、『突撃!障害者殺傷事件』と題して19人が殺害され、27人が重軽傷を負った相模原障害者殺傷事件についての番組でした。とても悲惨な事件だったにも関わらず被害者の名前もどんな人だったかもほどんど伝えられず、世間ではすでに事件のことも忘れつつあるのでは?ということで事件が起きた施設『やまゆり園』に行ったり、元職員の方や被害にあわれた方やその家族に取材をしています。
事件発生後には、バリバラ宛てに五百通を超える意見が寄せられ、その中には容疑者の意見に賛同する声もあったそうです。そして、容疑者の考えを理解できてしまうという三十代の男性と番組レギュラーの玉木幸則さんとの対談があり、なぜ男性が容疑者の考えに共感したのか話を聞いています。対談の中で男性は「僕は健康な健常者だから他人事なんですよ、結局。」と言っていました。
この男性はよくテレビに出てこれたな、容疑者の考えに賛同するなんてよく言えるなぁ…と思ったけれども、健常者同士だって立場が弱い人が悪い、いじめられる方が悪い、何か問題があるからいじめられるのだという図式が蔓延し電通の過労死問題やいじめの問題が後を絶たないと考えると、障害やいじめについて差別することや自分には関係ない事と思うのは、全ての人の心のどこかに潜んでいるのでは?と思いました。また障害と言っても一つではないので、障害者同士も、自分の方が大変とかあの人よりはましかな、などと差別しているかもしれません。
一人一人の違いがあることを100%は理解出来なくても少しでも分かろうとする努力が必要なのではありませんか。そして尊い命があるだけで生きる価値がある事に気づいて欲しいものです。 合掌 祐海