君に出会えて良かった
平成14年1月1日
部屋の掃除をしていたら、懐かしい絵本が出てきた。表紙をめくってみたら、小学校六年の私と当時の担任の先生が写った写真 が貼ってあった。そうこの絵本は、六年の担任の先生が卒業するときに送ってくれた物だった。写真の下には『君に出会えて良かった』と 書いてあった。この言葉を見て、その当時私はどう思ったかは覚えていない。とても冷めてた小学生だったから、どうせみんなに同じ事書いてるのだろうとしか思わなかったかもしれない。しかし、十五年経った今見てみるとこの『君に出会えて良 かった』という言葉は私の心の中の何かがポッと暖かくなった。今まで二十七年間生きてきて、私なりにたくさんの出会いがあり、また悲しい別れもあった。その中で、何回『君に出会えて良かった』と思っただろうと思い返した。
私の出会いの中で楽しい事もたくさんあったけど、悲しい事や悩んだ事、苦しかった事もあった。もしかしたら、出会えて良か ったなんて思った事なんてほんの数回しかないかもしれいとも思ってしまう。しかし出会えて良かったと思うのも悪かったなって思うのも自分次第だと思った。色々な周りの人に出会って、色々な人に支えてもらって、私がいると思えば、全てが自分にとって素晴らしい出会いなのだろう。
仏教では、仏様は一人一人の心の中に住んでいると説いている。私の中にも仏様は本当にいるのか、また、どんな顔をしているのだろうと常々考えている。そう思うと、十五年前に先生から贈られた言葉に私の心がポッと暖かくなったのは、私の中にいる仏様が熱くなった瞬間のように思う。自分自身がここに存在していると思えた瞬間でもあった。
祐 海 合 掌