思いやりの心
平成27年1月1日
昨年の九月から十二月のクールでやっていた「ディアシスター」というドラマ知ってますか?最終回まで見ちゃったけど…あるシーンにだけは「ちょっと待ったぁ~!」と言いたくなってしまいました。
そのドラマは、しっかり者の姉と自由奔放な妹との絆を取り戻す物語。父親は、その姉妹が子供の頃に他界して、この度十七回忌を迎えるにあたり、どうするか相談するしシーン。妹が「お坊さんは呼ばないで、おいしいもの食べて、ホテルに泊まって、温泉にでも入ろうよ」という。姉は真面目なので「きちんと法事した方が良いんじゃないの?」と言うけれど、妹は「お父さんだって、私達が喜んでる方が良いに決まってるじゃない」と言って、結局、お寿司を食べ温泉旅館へと行くというシーン。「え~こんな事、全国放送で言わないで~(泣)」と思いました(笑)。テレビというものは怖いもので、これが真実だ、もしくは良いことだと思わせてしまうからです。
本当に法事なんかやらないで良いものなのでしょうか?そりゃ~誰だって、おいしいもの食べて温泉入るなんて嬉しいし、楽しいですよね。仏さまも私達が元気で笑顔に過ごして欲しいって思っています。
しかし、美味しいもの食べたり温泉入ることは、自分の為の時間であって、仏さまの為の時間ではありません。そんなことはいつでも出来ます。十七回忌の法事はその時しか出来ません。そして、法事というものは、仏さまの供養というのはもちろんの事、仏さまのおかげで自分は生かされていると自分を戒める時間です。私達は、御先祖様、おじいちゃんおばあちゃん、両親、自分と繋がっている事、そして、毎日わがままに生活しているという事に気づき、思いやりの心を取り戻すためにとても大切な行事なのです。面倒くさがらずに、ご縁やご恩などを大切にする、昔ながらの日本人の心が今の私達には必要に感じます。